滝道の駅に近いところに土産物店がたくさん並んでいるんですが、その中の一軒のおばあさんの話しです。そのおばあさんは毎朝喫茶店でモーニングを食べる習慣があり、何度か喫茶店でお会いするうちに親しくなりました。

ある日、おばあさんが昔話をはじめました。
「若い頃はお弁当を持って、しょっちゅう山に登ったもんや。あのころは私も元気やったからなぁ。山じゅう知らんとこないぐらい歩いたわ。そんなときによう『つちのこ』を見たんや。『つちのこ』って知ってるか？大きいビール瓶みたいな・・・。昔は日本中あちこちで『つちのこ』を見たっていう話しがあったもんや。いやいや、怖ーてそんなしっかりよう見んわ。大きいよ。かなり大きかったわ。そら私も怖いがな。飛んで逃げたわ。」
「それってひょっとして、オオサンショウウオと違うかなぁ？」
「はぁ？・・・いままでそんなこと考えたこともなかったけど、ひょっとしたらオオサンショウウオかもしれへんなぁ・・・いや、きっとそうやわ。あれはオオサンショウウオやったんや。間違いないわ。つちのこって思てたけど、オオサンショウウオや！」
（2012.12.21）

次回につづく・・・